ジェイ・ステーション

日本のセクシャルマイノリティは守ってくれる人がいるけれど、バングラデシュの同性愛者は殺させるかもしれない恐怖と戦っている

f:id:jstation:20160403024242p:plain人気記事

就職難?青年海外協力隊が帰国後に陥りやすい勘違い

結婚願望ZEROだった僕が結婚した理由

日本に一時帰国したら必ず食べたいものランキングTOP10

 

f:id:jstation:20160403024242p:plainおすすめ記事

初対面で聞かれる75のこと in バングラデシュ

一般的な「あるある」にならない一時帰国あるある5選

日本を飛び出し、混沌の国バングラデシュに恋をした男の話


少しずつセクシャルマイノリティに関する話題も増え、理解も深まってきている日本社会の中で(もちろん当事者はそう感じていない事もあると思います)、こういうニュースを聞くとなんとも言えない気持ちになります。

昔から「オカマっぽい」と言われ続けてきたぼくは、「女らしい」「男らしい」という言葉やカテゴリライズに憤りを感じながら生きてきました。

 

今日はバングラデシュの性的少数者事情を踏まえて書いてみようと思います。

 

f:id:jstation:20160807040513p:plain

事件の概要

  • 同性愛者(ゲイ)であるA君は、同級生Z君(異性愛者)に告白して振られた。
  • 2か月後、Z君が「Aがゲイであることを隠しておくことができない」と言って他の人にばらしてしまった。
  • 同性愛者を受入れられない同級生たちに暴露されたA君はショックを受けて、心療内科に通院しなければならないほどの病を負った。
  • A君は大学側にも相談していたが、性同一性障害と勘違いされて、適切な対処を受けられていなかった。
  • 同級生に暴露されてから2か月後、A君は大学で飛び降り自殺した。

 

2か月の間にZ君の身に何があったのか

まず気にかかるのが、A君に告白されたZ君が「友だちでいよう」と言ったにも関わらず、2か月後にLINEグループでゲイだと晒してしまったのはなぜでしょうか。

その前にも3人の同級生にばらしていたようだが、情報を調べる限りではその間に、A君がショックを受けるような出来事は起こっていない。

 

もしかしたら同性愛を理解できない他の同級生たちが、Z君をそそのかして「LINEで晒しちゃえばいいじゃん」とでも言ったのかもしれません。(あくまで想像の域)

 

告白されたZ君がセクハラを受けてショックを受けたという見解

そもそも交際の申し込みはセクシャルハラスメントとなりえます。
同性愛を嫌悪している人物に対して同性愛者が交際を申し込んだとしたら、それはセクハラでしょう。現に記事では交際を申し込まれた側が「困惑した」と主張しています。
セクハラ被害者である学生が友人達に相談したら、それをセクハラ加害者(側)が「アウティングである」と主張している。形式としてはアウティングなのでしょうけれど。
同性愛者からセクハラを受けたら被害者は誰にも相談してはいけないのでしょうか?セクハラ被害者はセクハラ加害者の性指向について守秘義務があるのでしょうか?

 

こういった意見を言っている人もいます。もしかしたらZ君は友達でいようとは言いつつも、精神的ショックを受けていた可能性はあります。

異性愛者の中でも「あいつに告白されたけど、ムリ~」というような会話を友達に言う場面は良くあります。

ですから、LINEで晒す前に他の同級生に相談していたとしたら、その権利を否定できるものではありません。

しかし複数人が同時に見ることができるLINEグループにおいて、特定の1人のプライバシーを晒してしまうというのはいかがなものでしょうか。

 

LINEで暴露と言っても10人に満たないのです。「友人たちに相談した」という範囲内だと思います。

10人に満たなくても、当事者も含まれているLINEグループで晒して、相談の範囲というのは疑問です。本当に相談だとしたら、本人がいない場面でするべきでしょう。これを相談の範囲ではなく、完全に「晒し者にして苦痛を与える」行為だと思います。

 

A君はどうすべきだったか

恋心を止めろという権利はぼくにはありません。しかし仲間内で同性愛者の偏見があることがわかっていたのであれば、A君はそもそもZ君に告白すべきではなかったと思います。(A君を責めているわけではなく、同じような境遇の人に向けて発信しています)

そして心の傷を負った後、A君は大学ではなく、同じような境遇(同性愛者)に相談すべきだったのではないかと思います。

もし周りにいなかったとしても、今はインターネットが充実していますから、いくらでも探すことはできます。法科大学院に通っていたり、LINEを使用していたということから、まさかインターネットに疎い人とは思えません。

ぼくの経験上からも、同じ境遇の人でしかわかりあえない部分は必ずあるのです。

 

日本はセクシャルマイノリティを守ってくれる

セクシャルマイノリティに関する問題はたくさんあり、まだまだ理解の浸透には至っていません。同性婚も認められていませんしね。

それでもメディア露出、政界進出、同性婚の結婚式など取り上げられることが増えてきたのも事実です。

 

同性愛を暴露され転落死 望まない"アウティング"に「想像力の欠如」の声も

この記事が載っているハフィトンポストJAPANは、LGBT専用のカテゴリーがあり、頻繁にセクシャルマイノリティに関する記事や情報が掲載され、多くの人の目に届くようになっています。

 

事件が起こることは悲しいですが、事件後もこうやって多くの人がこのニュースを取り上げ、家族や周囲の人も含めて「セクシャルマイノリティの権利や人権を守ろう」とする動きがあることは素晴らしいことだと感じます。

同性愛を暴露され自殺した一橋法科大学院生の遺族による訴訟は八つ当たりだ - 井戸端会議・瓦版

同性愛を暴露され自殺…両親が同級生らを提訴:続々・たそがれ日記:So-netブログ

演劇とLGBT(同性愛関連のいくつかのニュースに寄せて) - 七転び八起き

 

バングラデシュでは同性愛者が殺される

バングラデシュでは同性愛の関係は違法であり、処罰の対象になります(終身刑もありえる)。国民の9割がイスラム教徒であるバングラデシュでは、宗教上の観点からも同性愛への反発は強く、例えゲイであったとしても決して公言できません。

 


2016年4月、バングラデシュの同性愛活動家が殺害された事件が起きました。それ以前にも同性愛者が暴行を受けたり殺害される事件は起きており、バングラデシュの同性愛者は常に殺される恐怖と戦っていなければなりません。

異性と結婚することが当たり前で、結婚しない選択肢がない(【驚愕】結婚しない人生に生きる意味なし!バングラデシュに見る結婚観)文化社会の中において、家族にさえ殺される可能性もありえます。

 

大きな声では言えませんが、バングラデシュで同性愛者(ゲイ)の人と出会ったことがあります。ヒジュラではありません。

ヒジュラ=南アジアにおける男性でも女性でもない性をもつ人

 

彼はこんなことを言っていました。

なりたくてゲイになったわけじゃない。

でも気づいたら男性しか好きになれず、だからと言って自分は女性の気持ちを持っているわけではない。

誰にも言えず、好きな人に好きとも言えず、これからどうやって生きていけばいいのかわからない。

家族に会うと結婚のことを言われるから、帰りたくても帰れない。

日本人である君になら言えるかもしれないと思って、勇気を振り絞って言ってみたんだ。

もしベンガル人に言ったら、ぼくはきっと殺されるだろう。

この運命を呪いたい。

 

セクシャルマイノリティになろうと思ってなっているわけではなく、自分でもどうしようもないことを周りに理解されない苦しさは、当事者にしかわからないことでしょう。

それでも日本人であるぼくを信頼してくれて、初めて誰かに自分のアイデンティティを伝えるという行動を起こした彼を尊敬するし、嬉しく思いました。

 

多様性受容は教育が解決しうるのか

大学時代に先輩に気づかせてもらうまで同性愛に偏見を持っていた自分のことを思い返すと、同性愛について考える機会などほとんどなかったように思います。

今回、被害者の遺族は同級生のZくんだけでなく、大学も提訴しているようですが、大学でそのような教育を施すのは遅すぎます。

家庭ではもちろんですが、小学校・中学校など「恋愛感情」というものを抱き始める時点で、同性愛に対する理解を深める教育をすべきではないでしょうか。

 

早期教育による多様性への理解を促すことは必要だと思います。

 

映像や先生の授業だけでなく、実際にセクシャルマイノリティの人に来てもらって疑問質問を投げかけながら、理解を促していくのがいいかもしれないなと思いました。

 

ぼくの学生時代を振り返ってみると、こういう授業はおろか話題にもなったことがありません。しかし、昔からジェンダーに関する意識は強く、自然と情報が集まるので自力で理解していったように思います。

これからの時代は女性だけが家にいて家事をする時代じゃなくなるんだから、料理も家事も育児もできる人になりなさいよ。」と両親に言い続けられてきたことも影響しているかもしれません。

学校教育と同時に家庭でのジェンダーの在り方も、親がしっかり考えて子どもに伝え続けていくことが大切なのかもしれませんね。

 

本日のJステまとめ

ぼくの周りにはセクシャルマイノリティの友人が結構沢山います。

全員がそうだとは言いませんが、一人で苦しみ生き方やあり方を考えてきた人が多いからこそ、物事を深く考え、視野が広く、人の痛みがわかる人が多い印象を受けます。

日本も含め世界には色々な人がいます。

この色々な人というのが厄介で、わかっているようでわかっていないことの方が多いです。だからこそ、人との関わりを避けず、こんな人が世の中にはいるんだなという発見と学びをやめずに生きていきたいですね。

 

 

バングラデシュにもゲイコミュニティはひっそりとあるそうです。

 

👈読者登録はこちらから

© 2016 ジェイ・ステーション