リオ・オリンピック陸上特集第9弾です。
これまでの記事はコチラ
今日はハードル特集をお届けします。
男子400mハードル、男子110mハードル、そして女子400mハードルの日本人選手たちです。
ちなみにぼくも110mハードルを4年間やっていたので、身近な種目の一つです。
男子400mハードル・女子400mハードル
体育の授業でやったことがある人もいるかもしれませんね。
写真のようなハードルが400mトラックに10台あり、それを飛び越えながら走り速さを競う競技が400mハードルです。通称「ヨンパー」と呼ばれます。
写真の図の両端の棒に穴が開いていると思うのですが、ここでハードルの高さを調節できます。
男子400mハードルは91.4㎝、女子400mハードルは76.2㎝に設定されています。
特に男子400mハードルは為末大選手が世界選手権で2回銅メダルを獲得するなど、トラック種目の中では世界と戦えると認識されています。
今回は男女合わせて3人の選手を紹介します。
男子400mハードル 野澤啓佑選手(準決勝進出)
出典:陸上:静岡国際 飯塚がサニブラウンに勝つ - 毎日新聞
日本選手権前にオリンピック派遣設定記録の48秒74を突破する48秒67を持っていた野澤選手は、8位以内に入れば自動的に内定する状態でした。
記録こそ49秒台だったものの、実力通り優勝し、代表の座をつかみ取ります。
学生時代は上位に食い込む力はまだなかったのですが、社会人になってからメキメキと力をつけ、今回は決勝進出を期待されています。
▶野沢啓佑 - リオオリンピック特集 - Yahoo! JAPAN
男子400mハードル 松下祐樹選手
出典:小田原市 | 小田原市出身 松下祐樹選手がリオ五輪出場をかけた日本選手権に出場します!
松下選手は派遣設定記録こそ破っていないものの、派遣標準記録を破る49秒10を持って日本選手権に挑みました。
野澤選手には敗れてしまいましたが順当に2着に入り、後日発表の代表選考で代表に決定しました。
2015年の世界選手権では準決勝に進出しており、世界の舞台を少しずつ経験してきているので、オリンピックでも実力を出し切ってほしいですね。
▶松下祐樹 - リオオリンピック特集 - Yahoo! JAPAN
男子400mハードル 記録とみどころ
▶世界記録・・・46秒78 ≪Kevin Young≫ アメリカ 1992年
▶日本記録・・・47秒89 ≪為末 大≫ 2001年
▶アジア記録・・・47秒53 ≪Hadi Soua'an Al-Somily≫ サウジアラビア 2000年
▶バングラデシュ記録・・・51秒87 ≪Abdur Rahim Nayeem≫ 1993年
ハードルは足でひっかけて倒れてしまっても失格にはなりません。しかしその分、走るスピードが落ちてしまいます。
選手たちがハードルを右左どちらの足で跳び越えているのか観察するのも面白いと思います。
ハードルを10台飛び越えたあとの最後の直線はもう足が止まっているかのようにスピードが落ちます。そこをいかに堪えるか。ぜひ注目してください。
- 男子400mH予選▶15日(月)23時35分
- 男子400mH準決勝▶17日(水)9時35分
- 男子400mH決勝▶19日(金)00時00分
テレビ放送はコチラをチェック
男子400mハードル 予選組み合わせ
予選は6組によって争われ、各組上位3人まで準決勝に進みます。また各組4位以下の選手から記録の良い6人が追加で拾われ、合計24人が準決勝進出です。
松下選手は1組4レーンに、野澤選手は4組7レーンに登場します。3着以内を狙ってほしいですね。
結果
- 400mH予選 松下選手▶1組4着 49秒60 予選敗退
- 400mH予選 野澤選手▶4組1着 48秒62 準決勝進出
松下選手はおしかった!4着でしたが、記録が6人以内に入ることができず準決勝進出ならず。
そしてなんと野澤選手が1着で準決勝進出を決めました。しかもこのオリンピックという舞台で自己ベスト更新です。準決勝に向けて更に集中力を高めていってほしいと思います。決勝の期待も高まります。
男子400mハードル 準決勝組み合わせ
準決勝は3組で、野澤選手は1組3レーンに登場します。2着に入るか、3位以下で記録の良い上位2人決勝進出です。予選だけの記録を見ると上位8位以内に入っているので決勝も夢ではありません。さあ次は45秒台を目指してもらいましょう。
準決勝は17日(水)9時35分からです。大注目です!
結果
- 400mH準決勝 野澤選手▶1組6着 49秒20 準決勝敗退
予選の記録がよかっただけに本人も悔しいでしょうね。
決勝へ行けるかもしれないという気持ちが堅さに繋がってしまったのでしょうか。
女子400mハードル 久保倉里美選手
出典:朝日新聞デジタル:女子400メートル障害、予選敗退した久保倉里美
北京、ロンドン五輪と2大会連続オリンピックに出場し、準決勝にまで駒を進めた久保倉選手。
これまで長年女子陸上界を引っ張て来た日本記録保持者です。
今回は集大成でもある3回目のオリンピック、どんな走りを見せてくれるか楽しみですし、みんなで応援したいですね。
▶久保倉里美 - リオオリンピック特集 - Yahoo! JAPAN
女子400mハードル 記録とみどころ
▶世界記録・・・52秒34 ≪Yuliya pechenkina≫ ロシア 2003年
▶日本記録・・・55秒46 ≪久保倉 里美≫ 2008年
▶アジア記録・・・53秒96 ≪Yinglan Song≫ 中国 2001年
▶バングラデシュ記録・・・なし
久保倉選手が3大会連続準決勝進出なるか!綺麗なハードリングにも注目してみてください。
- 女子400mH予選▶16日(火)9時30分
- 女子400mH準決勝▶17日(水)9時10分
- 女子400mH決勝▶19日(金)10時05分
テレビ放送はコチラをチェック
女子400mハードル 予選組み合わせ
予選は6組によって争われ、各組上位3人まで準決勝に進みます。また各組4位以下の選手から記録の良い6人が追加で拾われ、合計24人が準決勝進出です。
久保倉選手は6組5レーンに入りました。真ん中のレーンなので前後が見やすくレース展開が立てやすくなるでしょう。
結果
- 400mH予選 久保倉選手▶6組5着 57秒34 予選敗退
残念ながら3大会連続準決勝進出はなりませんでした。
好調を維持していただけに悔しくて涙がでてしまったんでしょうね。
ただこの種目は若手がもっと出てきてほしいなと思います。彼女だけに背負わせるのはもうかわいそうです。
男子110mハードル
400mハードルと同じく、110mハードルも写真のようなハードルを飛び越えながら110m走り、その速さを競う種目です。
女子は100mハードルなのに男子はなぜ110mという切りの悪い数字になったかというと、スタートから1台目のハードルの長さである13.72mは15ヤード、インターバル(ハードルとハードルの間の距離)の9.14mは10ヤード(30フィート)が元になっていいます。最後のハードルからゴールまでは14.02mで、合計すると120ヤードであり、120ヤードは109.7mと110mにほぼ同じなので、110mになったようです。
動画を見てもらうとわかるのですが、ハードルをなぎ倒しても故意的ではなく他の選手を妨害していなければ失格にはなりません。昔ハードルなぎ倒し男という異名を誇る海外選手がいました(笑)
男子100mハードル 矢澤航選手
写真みてください。地面と足と体が平行、身体と足がくっつきそうです。ハードリング度外視で総力で勝負する海外勢に比べて、日本人は総力では勝負できないこともあるのでハードリングの綺麗さでスピードをできる限り減速させないのが特徴です。
矢澤選手は派遣標準記録を突破して、日本選手権では優勝して出場を勝ち取りました。日本記録も肉薄しているので、オリンピックでは日本記録を狙ってほしいですね。
▶矢沢航 - リオオリンピック特集 - Yahoo! JAPAN
男子110mハードル 記録とみどころ
▶世界記録・・・12秒80 ≪Aries Merrit≫ アメリカ 2012年
▶日本記録・・・13秒39 ≪谷川 聡≫ 2004年
▶アジア記録・・・12秒88 ≪Xiang Liu≫ 中国 2006年
▶バングラデシュ記録・・・14秒15 ≪Mahfuzur Rahman≫ 2007年
まだ選手たちがスタートする前の、綺麗に並んだハードルを見てみてください。気持ち悪いくらい揃っていて芸術作品のようです。
走力と共に技術力が必要とされるハードル種目。日本人選手も勝負できない種目ではありません。海外選手と矢澤選手のハードリングの違いにも注目してみてください。
- 男子110mH予選▶16日(火)8時40分
- 男子110mH準決勝▶17日(水)8時40分
- 男子100mH決勝▶17日(水)10時45分
テレビ放送はコチラをチェック
男子110mハードル 予選組み合わせ
予選は5組で争われ、各組上位4着と3以下の選手でタイムの良い上位4人、合計24人が準決勝に進みます。
矢澤選手は1組6レーンに登場です。4着以内に入って準決勝進出を期待しましょう。
結果
- 110mH予選 矢澤選手▶1組6着 13秒89 再レース
- 110mH再レース 矢澤選手▶6組3着 13秒88 予選敗退
なんと異例の予選再レースが行われました。(組によって気候条件が違うという判断による)1,2組の5位以下の選手全員で再レースが行われ、予選敗退からの再チャンスをもらったのですが、いかすことができずに予選敗退してしまいました。
ベリーズ代表選手
ジェイ・ステーションでは、日本や強豪国(主に先進国)だけに注目するのではなく、途上国の選手にも焦点を当てて、お届けしていきます。
オリンピックとジェイ・ステーションを通して、世界の国のことを一緒に知っていきましょう!
今回は中米のカリブ海に面する国、ベリーズです。
ベリーズ
- 人口:35万人
- 公用語:英語(公用語)、スペイン語、クレオール語他
- 宗教:キリスト教
- GDP:28億ドル
- HDI(人間開発指数):101位(188カ国中)
- 在留邦人:52人
- 在日ベリーズ人:13人
※JICAボランティアが派遣されている国です。
参考1:ベリーズ基礎データ | 外務省
ベリーズのオリンピック代表選手
- 陸上 男子200m
- 陸上 女子100mハードル
- 柔道 男子90kg級
▶Team BIZ at the Rio 2016 Olympics
ベリーズはなかなか聞く機会がない国かもしれません。
陸上と柔道に合計3人がエントリーしていますが、まだまだスポーツは発展途上なのかもしれませんね。
今途上国と言われる国には2020年東京オリンピックに向けて、JICAボランティアのスポーツ隊員が強化されています。
2020年の東京には多くの途上国選手が参加しているかもしれません。楽しみです!
参考までにベリーズの綺麗な海の写真を見て、行った気持ちになってください(笑)
本日のJステまとめ
ハードル種目3つ紹介しました。
ハードルはただ足が速ければいいということではないので、面白いですね。
ただしハードルに膝やすねをぶつけると、ものすごく痛いです。
途上国はベリーズを紹介しました。写真見るだけで行きたくなります。きっと住んでいるベリーズ人からしたら、当たり前のことすぎてなんでそんなにはしゃぐんだって言われると思いますが(笑)
400mハードルで野澤選手が準決勝進出を決めました!
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